SKYキャッスル 感想
SKYキャッスル見終わりました~!
NetflixにSKYキャッスルが出ていたので、見ました。
韓国の富裕層たちのお受験戦争を題材にした話です。
学力だけで大学に行ける時代は終わった。今は内申点を含む総合評価で勝負する時代。
母娘で二人三脚。実力のある家庭教師や塾講師を選ぶために、グループを作ったり、情報を集めたり。
泣きながら見ました。家父長制への疑問を呈したドラマでもあったのではないかと思います。
以下、私の印象に残ったところです。
名前を呼ばれない女(母親)たち
ドラマに出てくる女性はほぼみんな「○○のママ」「〇〇教授のワイフ」と呼ばれて、下の名前を呼ばれることはほとんどありません。
お金を稼ぐ役割を果たす父親。家事と育児を行う母親。
彼女たちの中で名前で呼ばれるのはひとつだけ。ハン・ソジンが貧しかった過去とともに捨てたはずの名前「ミヒャン」だけという皮肉。
妻でも、母でもない場合のあなたは誰だ、みたいな問いが突き付けられている気がします。
医者に女はいないのか?
主人公ハン・ソジンの夫、ジュンサンが務める病院には女がいないのか?インターン含めみんな男。みんな激務で寝不足、そして起こる医療事故。(ドラマの中だけでも2つ起こってましたよね?多くない?)
誰についていくかで未来の自分のポストが決まる。男同士の絆バンザイ。
父親の職場には女の医者がいない。だけれども、その子供であるイェソはソウル医大を目指す。
自分の周りには女の医者がいないのに、自分の娘が医者を目指すことをジュンサンはどう思っているんですかね?何も考えてなさそう。
ドラマの中では、誠実な治療をすればするほど病院は儲からないことに対する問題提起もされていました。実際、コロナ禍でコロナの検査や治療に力をいれた病院ほど経営が悪化しているというニュースもあった気がします。女の医者の少なさや、激務であること、過剰医療などは現実に対する疑問を投げかけていて良かったです。
なんとなくシスターフッド
私がシスターフッドを感じたのは、イェソが通う高校で、ライバルのキム・ヘナが生徒会長に立候補する場面。
富裕層の子息だけが所属する特別クラスで学校内のコンクールの課題などが前もって知らされていることを問題視し、特別クラス廃止を公約に掲げることを職員室で女性教員に話しているところに、男性教員が文句を言います。その際にすかさず女性教員がヘナの背中を押す発言をする場面が良かったです。おう、シスターフッド!ってなりました。
孫よ、おばあちゃんにそんなこと言わないでくれ
ドラマの終盤で、おばあちゃんが孫がソウル医大することに執着し、家族と言い争う場面があります。
その場面で、イェソの妹のイェビンがおばあちゃんに一言。
「そんなに医大、医大って言うならおばあちゃんが行けばよかったやん」と言うんです。
イェビナ…、お父さんの職場行ってみたか?男の先生ばっかりやぞ、おばあちゃんの歳考えてみろ、医大なんか行かせてもらえる時代やと思うか?もし医大行けたとして、医者として出世できたやろか、考えてみてくれ…。
自身で叶えることは不可能、だから息子に夢を託す。でも結局は自分の望むことなので、息子に無理強いしてしまう。
えぇ、博士課程まで出て専業主婦になってたの?スンへ姉さん!
教養あり、落ち着いているスンへ姉さん。しかし娘のヘリが起こした騒動で意気消沈。そのときこう言うんですよ。
「博士課程まで出たけど、育児に専念しなきゃと思って、主婦になったんです。一生懸命やってきたけど、自分が空っぽになっちゃったみたい。」(うろ覚え)
博士課程まで修了した優秀なスンへ姉さんが、機会を失って子育てに専念する。
子育てはそりゃ、大事で素晴らしいことだと思う。
でも、スンへ姉さんが男だったら、そのまま教授とかになれてたのでは?少なくとも家に閉じ込められることはないはず。
子育ては女の仕事、家父長制~~~~!!
スンへ姉さんの家は家父長制との闘いでしたね。
そしてお前も空っぽだったのか、カン・ジュンサン
いろいろあって、ハン・ソジンの夫、カン・ジュンサンがおばあちゃん(ジュンサンのお母さん)に向かって泣きわめきます。
「院長を目指してやってきたよ、でもカン・ジュンサンがないんだよ!俺は空っぽだ!うぇーーーーん!!」(うろ覚え)
女も「空っぽ」、男も「空っぽ」。
私たちは中身をどこに忘れてきたのだろうか。役割を果たそうと努力して進んできた結果、自分が何者なのかわからなくなってしまった人々。・・・役割とは?
諸悪の根源は家父長制である。と言いたくなるドラマでした。
SKYキャッスルを見た方々の感想が知りたいですね。
では~~^^